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2011/04/17「第六回CW座談会 後編」―素材の作品性について―

ラ・フランスさん主催の、カードワース座談会に招いて頂きました。
カードワースに係わる方が集い、カードワースに沿ったテーマを自分たちで掲げ、あれこれ自由に語れる素晴らしい企画です。とても楽しく、時間を忘れてお話しさせて頂きました。今回の座談会の前編と中編は、こちらのリンクからどうぞ。

というわけで以下「第六回CW座談会 後編」です。(ほぼ原文ですが、話に沿った入れ換えや訂正を入れてさせて頂きました)


ラ・フランス

では、閑話休題終了でバルドラさんテーマの提示おねがいします

バルドラ

あ、はい。どうぞよろしくお願いします。
素材作者さんが出されてるもの一つ一つが、その方の作品だのに、シナリオなどで「使われる」って事を念頭に置かれて作られたり公開されてるのは、大前提だけど、考えたらすごいことだなと常々思っています。素材を、素材としての使い易さで追求するのと、製作者として自分の世界観を追求する兼ね合いってある気がするんですけど、素材を作られたり、写真を撮られたりする時に、何か気をつけられていることはありますか。

竹庵

一応は、使いやすさ、でしょうか。

ラ・フランス

自分は素材を作る側ではないのですが、メッセージ性があるというか使う側の心の琴線に触れられるかどうかだと思います

竹庵

「使いどころのわからない」ような写真を撮ることもありますが、自分でコレを使ったシナリオを作るなら、と考えます。絵を描く人は「自分の世界観を追求した作品」であることが多いかな、と思っているのですが、どうなのだろう。

バルドラ

なるほど。素材って、それ単体では完結してない、まだ未知な作品なのかな、とよく思うのです。

竹庵

いい表現ですね。

バルドラ

でも、それ単体でも魅力的でないといけない。素材の兼ね合いは、自分でつくるときは良く考えます。自分が提供する事を考えると、提供されている皆さんはすごいなあと思って、夜中に素材サイトさんめぐって一人で胸熱くしたりしてます。

ラ・フランス

消去法的に考えると、素材の非作品性はどういったところになるのでしょうか

バルドラ

カードワースの素材の場合、シナリオに組み込まれる事が前提なので、使いやすさなどの要素もひっくるめて全てが作品性になる気がします。自分では完結できない。そこが面白くもあり、怖くもあります

竹庵

それはシナリオにも通じますね。それ単体では完結していないという意味で。

バルドラ

あ、そういえばそうですね。

竹庵

最終的には、プレイヤーがPCを通じてシナリオをプレイして、それぞれのイメージを抱いてもらって完結するわけで。

ラ・フランス

特にCWはプレイヤーと作者の距離が近い気がします、そのことを念頭に置かないと埋もれてしまう気がします

バルドラ

シナリオは、プレイヤーが完結させるのですね。全ては、プレイヤーのための素材なのかもしれないですね。 そして、プレイヤーは作者になっていく・・・

竹庵

自己が主張する作品であるという性格と、誰かに完成させられる素材であるという性格が、せめぎ合っているのかも。シナリオにせよ素材にせよ、手掛けるとどうしても「ユーザー」の存在を意識します。

バルドラ

人間の根源的な欲求につながる葛藤だと思います。だから面白い。

竹庵

「作り手」と「受け手」をまたいで往来できることが楽しいですね。

バルドラ

ほんとうに、カードワースの魅力は混沌としていますね。

竹庵

カオスだからこそCardWirth。なんだか最初の設定の話に一周してるような

ラ・フランス

カオスワース(笑)

バルドラ

日本人にとてもなじむ感覚だと思います。クリスマスも初詣もやっちゃうぜ!みたいな。

竹庵

なんでも呑み込み、なんでも見つけだせる。

バルドラ

10年以上続いた理由なのかもしれませんね。

竹庵

いい意味でのゆるさは、これからも続いてほしいものです。

ラ・フランス

そろそろ最後の一言に移りたいと思います、私から一言「カードワースは今後もカオスワースであり続ける」

バルドラ

いやでも続くと思います(笑)

竹庵

カオスに続けていきましょう。

ラ・フランス

「一粒で 無限においしい かどわす!」料理も楽しいし、素材のじゃがいもを育てるのも楽しいよ!

竹庵

「超時空都市」リューンと「設定のブラックホール」親父さんと娘さんがある限り、カオスワースは続いていく。

ラ・フランス

キャッチコピーみたいですね、お二人ともうまいです

バルドラ

カオスワース(笑)たくさんの素晴らしいフリーソフトもあります。 親父さんの画像を加工するのも、立派な素材作者への一歩では。

竹庵

で、親父さんと娘さんの関係は(ふりだしに戻る)

バルドラ

一晩中でも語れますね~

竹庵

延長OKですか?(笑)

ラ・フランス

お客様、追加料金10spがかかります(笑)

バルドラ

あ、こっち揚げじゃがお願いします

ラ・フランス

2時間たったので終わりにしましょう、おつかれさまでした

バルドラ

すいません(笑)本当に楽しくて時間を忘れてしまいました。ああ、お話できて、本当に良かった。

竹庵

あ、おつかれさまでした。すごく緊張してしまって。あれこれ話したりないような気もします。

バルドラ

わたしも、すごくあがってました。でも、とてもたのしかったです。

竹庵

改めましてですが、今日はありがとうございました。

バルドラ

どうもお疲れ様でした。とても楽しかったです。ありがとうございました。

ラ・フランス

この企画は参加者様がいないと成立しないので、本当にありがとうございました

バルドラ

今後の座談会とカオスワースの発展を、心よりお祈りしております(笑)それでは、今晩はこの辺にて!

竹庵

お疲れ様です!では、わたしもこのあたりで。また機会がありましたら是非。


・・・というわけで、終始和やかな進行の座談会でありました。
なるべく、自分が素材を作る立場だったらと想像しながらも全然上手く言えてない私に、造詣深く心優しい返答を返して下さった、ラ・フランスさん、竹庵さんのお二方に心からの感謝を!どうもありがとうございました! あー 後から思えばもっと色々聞きたかったなぁ。10spで延長してもらえばよかった!


テーマ「素材の作品性」についての個人的なまとめを、追記で少し書いておこうと思います。素材屋さんをやっていない者がのたまう、素材の魅力。 (2012.2.8 素材屋さんになってしまいました。改めて読むと、なんか壮大な事言ってるなあ)

上でも述べましたが、全ての素材は、それぞれ単体でも成り立っているのですが、一方で未完の性質を孕んでいると言えます。カードワースなどに組み込んで、使われる事を目的に公開されているものだからです。 ですので、素材がそれぞれ持っている作品性は、言ってみれば完成形ではない。

と、言う事はですよ。
広く公開した「素材」という作品は、いつか誰かに使われる事による、無限の作品性を秘めている、と言えるのではないでしょうか。
考えてみたら、それって、すごい事だと思いませんか。